ギョーム・ネリーとボールの時計

世界記録保持者は、自然を愛する若者

時計ブランドと契約して、製品の魅力を幅広くアピールする「アンバサダー」と呼ばれる著名人たちが いるのはご存じだろう。いわゆるイメージ・キャラクターを演じる人もいれば、中には、時計を実際に使用して機能をテストしたり、アドバイスを与えたりする 本格スポーツマンもいる。過酷な環境で使用するハイスペックな時計の開発で有名なボールの「ボール・エクスプローラーズ・クラブ」の一員として活躍するフ ランス人フリーダイバーのギョーム・ネリーもその一人。

ギョーム・ネリー
10月に来日したギョーム・ネリーは、ごくふつうの自然好きの青年という印象。愛用時計をカメラに向けてポーズをとる
ダイビングに関心の高い方なら、その名を知すでに知っているだろう。2008年7月、彼は呼吸器具を用いないフリーダイビング競技で113メートルの潜水に成功し、世界記録を塗り替えたヒーローである。世界のメディアもその快挙を報じた。

「世 界記録の112メートルを破るために、準備に8か月を費やしました。最初の3か月で基本的な体力を鍛えるトレーニング、続く3か月では水中でフィンを付け て泳ぎながらトレーニング、最後の2か月では深海での潜水のトレーニングをしました。最後の段階で、2~3メートルずつ深度を伸ばしていくにしたがい、目 標の113メートが可能だと確信が持てるようになりました。」
ボール「エンジニア マスター II ダイバー GMT」
ボール「エンジニア マスター II ダイバー GMT」。自動巻き。ステンレススティール・ケース、DLCによるブラック加工。インナー式回転ベゼル、GMT機能装備。マイクロガスライトによる強力な夜光も特徴。300m防水。26万400円

浮上したギョーム・ネリー
113メートルの世界記録を達成して浮上したギョーム・ネリー
い たって淡々と世界記録への挑戦を語るネリーは今年26歳。14歳のときに南仏ニースでフリーダイビングを始め、24歳で3つの世界記録を樹立した。身体能 力と精神力たるや驚くべきものがあるが、彼は、記録への挑戦だけがすべてと考えるようなアスリートとは違うようだ。いかに自然と親しむか、そんなところに 彼の原点があった。イルカの化身のようなネリーだが、海に限らず、自然におけるあらゆるスポーツを通じて、肉体と精神を鍛えてきた。もちろん、スポーツそ のものを楽しむことを忘れないところにも、独特のスタイルがうかがえる。

「フリーダイビング以外にも、クロスカントリーや自転車、雪の山 歩きなど自然と関わるスポーツ全般が好きですね。高い山を見ると、そこに登りたくなる。山頂に立てば、そこからまた違う世界が見てくる。同じことを水中で もやっているのです。スピリットはまったく同じ。それにはまず、自然の中に身を置き、自然の一部になることです。」


ネリーが高機能ダイバーズの充実に貢献

ボールのアンバサダーを務めるギョーム・ネリー。今回の世界記録挑戦でも、ボールの「エンジニアマスター II ダイバー」を着けて潜ったが、時計への関心はどうだろうか。

「正 直なところ、これまで時計にはさほど興味がありませんでした。今は違います。僕にとっては、これも僕にとっては新しい世界の発見です。時計はいつでもどこ でも自分と一緒。愛用のバックパックみたいにね。ボールの時計は、エレガントで美しい。機能的で実用性にも優れ、しかもシンプルで控えめなところが気に 入っている。男性にとってジュエリーのようなものです。」

もちろん、実際に使ってみて、改良点やリクエストもあったという。



ボール「エンジニア マスター II ダイバー TMT」ボール「エンジニア マスター II ダイバー クロノグラフ」
左: ボール「エンジニア マスター II ダイバー TMT」。自動巻き。ステンレススティール・ケース、DLCによるブラック加工。インナー式回転ベゼル、温度表示(-35度C~45度C)装備。300m 防水。37万1700円。右:ボール「エンジニア マスター II ダイバー クロノグラフ」。自動巻き。ステンレススティール・ケース。インナー式回転ベゼル、クロノグラフ機能装備。100m防水。34万3350円

「ま ずクロノグラフ付きのダイバーズでしたね。この機能は欲しかった。限定モデルとして発売されていますが、温度計付きのダイバーズもそうです。温度計は、 ウォーミングアップやトレーニングにとって重要な情報を与えてくれるので有益です。たった1度の差でも、ダイビングには大きな影響がありますから。」

高度な技術が惜しみなく発揮されたボールの「エンジニア マスター II ダイバー」は、彼の意見も参考にしながら高機能モデルとして年々コレクションが充実してきた。

「ア ンバサダーを務めるのは、ボールのフィロソフィーに共感するからです。たんなるコラボレーションというのとは意味が違います。新しい場所で新しい探究に挑 む、果敢なスピリットを共有しているのです。だから、僕はそれを誇りに思います。ボール・エクスプローラー・クラブの面々も同じように感じているはずで す。」

今回のインタビューのあとにいったん香港を訪れ、再び日本に舞い戻ってプライベートな時間を山で楽しんだ。「日本の山岳の自然に親しみ、伝統に触れたい」と語ったギョーム・ネリー。また次なる記録挑戦に向け、日本の自然の中で鋭気を養ったことだろう。

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